このページでは、企業健診で婦人科検診を受けた皆さまへ、検査の内容や結果の見方、必要な対応についてご案内します。

Aパート:各検査の意義と結果の見方

1.子宮頸がん検診(細胞診+HPV検査)について

子宮頸がん検診では、子宮頸部(子宮の入口)の細胞を採取し、がんなどの異常な細胞がないかを調べる「細胞診」と、その原因ウイルスの感染を調べる「HPV検査」を実施しています。

HPV検査とは?

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸がんの主な原因となるウイルスです。性交渉などで感染し、自然に消えることが多いですが、一部の「高リスク型HPV」が長期感染すると子宮頸がんのリスクが高まります。

細胞診とHPV検査の違い

  • 細胞診:子宮頸部の細胞に異常があるかを確認(→すでに異形成やがん細胞がある可能性)
  • HPV検査:高リスク型HPVに感染しているかを確認(→将来的なリスクの有無を把握できる)

両方の検査を行うことで、「現在の異常」と「現在・将来のリスク」を同時に評価することができ、より適切な判断が可能になります。

2.ベセスダ分類(大文字アルファベットで表記)の主な細胞診結果とその意味

  • NILM(異常なし):正常な細胞でした→ 年1回の定期検診でOKです。
  • ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞):ごく軽度な細胞の変化が見られます。HPV検査の結果により対応が決まります。HPV陰性であれば1年後の健診を、陽性であれば精密検査(コルポスコピー+組織診)が必要です。
  • LSIL(軽度扁平上皮内病変):HPV感染による細胞の変化が見られます。がんに進行することは少ないものの、正確な診断のために初回は必ず精密検査(コルポスコピー+組織診)を行います。その後の方針は受診先の医療機関が判断します。
  • HSIL(高度扁平上皮内病変):がんに進行するリスクが高い変化が見られるため、早急に精密検査(コルポスコピー+組織診)が必要です。

3.経腟超音波・内診(視診・触診)について

これらの検査では、以下のような婦人科疾患の有無を確認します:

  • 子宮筋腫:子宮にできる良性の腫瘍。多くは経過観察でOKですが、月経血が多くて貧血があったり、妊活予定の人は婦人科受診をお勧めします。
  • 卵巣嚢腫:卵巣に液体などがたまる袋状の病変。4cm以上であれば手術などが必要になることもあるため、婦人科受診をお勧めします。
  • 子宮内膜症:月経痛の原因となる病変。
  • 子宮内膜肥厚・ポリープ(頸管/内膜):必要に応じて再検査や処置が行われます。子宮内膜に関しては、閉経前は20mm以上、閉経後は5mm以上であれば婦人科を受診してください。

4.判定区分(A〜D)の見方

  • A判定:異常なし。特別な対応は不要です。
  • B判定:良性所見がありますが、多くは経過観察でOKです。
  • C判定:やや注意が必要です。再検査や医師との相談をおすすめします。
  • D判定:要精密検査です。医療機関での詳しい検査を受けていただきます。

Bパート:紹介状が必要となる方へ

下記に該当する方には、当院を通じて紹介状を準備することも可能です。
また当院での受診や検査・治療方針の相談も可能ですのでご予約ください。
(完全予約制)
お手数ですが、当院が初診になる方はお電話にてご連絡ください。

紹介状の対象となる主なケース

1.子宮頸がん検診でD判定の方

  • ASC-USかつHPV陽性の方
  • NILM以外の判定(LSIL、HSILなど)の方
    → コルポスコピー・組織診などの精密検査が必要です。

2.経腟超音波または内診でD判定の方

  • 子宮内膜ポリープや卵巣腫瘍などが疑われた場合
    → 再検査、内膜生検、外来処置などが必要になることがあります。

3.C判定で再検査が推奨されている方

  • 経腟超音波などで変化が認められた場合
    → 一定期間後に再評価が推奨されるケースです。
  • C3:3ヶ月後(医師の指示がある場合は3ヶ月以内)の再検査により経時的変化を確認するための受診が必要です
  • C6:6ヶ月後の再検査で経時的変化を観察することが必要です

📞 ご不明な点がある方は、お気軽に当院までお問い合わせください。(対応可能時間:Bene浅草営業日の14時−17時)
その場合、お名前、連絡のつく電話番号、検査した日時・場所と判定(CやDなど)を教えていただくことがあります。お手元に検査結果がわかるものをご準備ください。
また現在婦人科的な症状(不正出血や下腹痛)がある方は、それも含めてお教えください。

Bene浅草(東武スカイツリーライン浅草駅直上)までのアクセス