結果の確認と今後の対応について
1. はじめに
このページは、当院で健診・人間ドックを受診された皆さまに向けて、検査結果の確認方法と、必要な場合の対応についてご案内しております。
「C判定やD判定があったけれど、どうすればいいかわからない」
「受診が必要と言われたけれど、すぐ行ったほうがいいの?」
そんな疑問や不安にお応えできるよう、一つひとつ丁寧にご説明します。
2. 判定の見方について
以下は、健診結果票に記載される判定記号の一般的な意味と、対応の目安です。
判定 | 意味 | 対応の目安 |
---|---|---|
A判定 | 異常なし | 健康状態は良好です。現在の生活習慣を維持してください。 |
B判定 | 軽度の異常 | 日常生活には支障ありませんが、生活習慣の見直しをおすすめします。 |
C判定 | 要経過観察・再検査 | 検査値に軽度の異常が見られます。再検査または専門医での確認が推奨されます。 |
D判定 | 要精密検査 | 精密検査が必要です。速やかに医療機関を受診してください。 |
3. 判定別の行動ガイド
C判定があった方へ
- 検査値が基準から外れているものの、すぐに重大な異常とは限りません。
- 原因の確認や数値の推移を把握するために、再検査が推奨されます。
- 結果票に記載された検査名をもとに、必要に応じて医療機関での相談をご検討ください。(C3は3ヶ月後、C6は半年後、C 12は一年後の受診が目安です)
D判定があった方へ
- より精密な検査が必要です。
- 自覚症状がなくても、医療機関での診察を早めに受けていただくことを強くおすすめします。
- 紹介先・提携先は以下の施設です(大学病院・新東京病院以外は紹介状がなくても受診可能です。当院の検診結果をお持ちください)。
対象検査 専門科 病院名(リンク付き) 院内診療科 連絡先 住所 内科・腹部超音波など 内科 永寿総合病院 内科(総合診療などその他) 03-3833-8381 東京都台東区東上野2丁目23番16号 乳房エコー、マンモ 乳腺外科 日本歯料大学附属病院 内科/外科・乳腺内分泌外科 03-3261-5511 東京都千代田区富士見2-3-16 胃バリウム検査、胃カメラ 上部消化器内科 新東京病院 消化器内科 047-711-8700 千葉県松戸市和名ヶ谷1271番 胸部X線、肺機能 呼吸器内科 東京医大病院 呼吸器内科 03-3351-6141 東京都新宿区新宿6-1-1 便潜血検査 大腸消化器内科 かわぐち消化器内科 消化器内科 大腸カメラ 03-3844-2072 東京都台東区浅草1丁目35-9 胃バリウム検査、胃カメラ、便潜血 上部・下部内視鏡 ぎょうとく内科 消化器内科 大腸カメラ 胃カメラ 03-3851-9000 東京都台東区浅草橋3丁目1-9-2F 血液検査、心電図、血圧 循環器内科 浅草ハートクリニック 一般内科・循環器内科 03-6231-7581 東京都台東区花川戸1丁目13-15 1F 視力、眼底、眼圧 眼科 ささき眼科 眼科 03-3842-7110 台東区雷門1-7-5 田原町グリーンハイツ102
またご予約方法は各々の施設・クリニックによりますので、ホームページなどをご参照の上、受診方法をご確認くださるようお願いいたします。
4. よくあるご質問
Q. 再検査はどこで受ければいいですか?
A. 内科のかかりつけ医がいる方は、かかりつけ医の医師にご確認ください。婦人科は当院の外来で受診いただけます。それ以外は連携先医療機関をご参照ください。
Q. 健診で紹介状をもらっていません。どうすればいいですか?
A. 紹介状が必要な方には別途ご用意いたします。お電話でご相談ください。
Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 再検査や精密検査は、健康保険が適用される診療となります。内容によって自己負担額が異なりますので、医療機関にてご確認ください。
Q. どの診療科を受診すればよいですか?
A. 検査項目によって適切な診療科が異なります。
詳しくはまたは当院スタッフまたは医師にご相談ください。
*****************
以下、特に受診していただきたい検査です。
該当する方で紹介状が必要な方はご連絡くださるようお願いいたします
① 便潜血(大腸がんスクリーニング)
1. どんな検査?
便潜血検査は、便の中に血液が混じっていないかを調べるスクリーニング検査です。
大腸ポリープや大腸がんなど、消化管からの微量な出血を検出します。
2. 大腸がんってどんな病気?
大腸がんは日本でがん死亡原因の上位に位置する疾患で、早期であれば治療成績が非常に良好です。
症状がない段階で発見されることが多く、早期発見・早期治療がカギです。
3. 次に必要な精密検査
便潜血が陽性(D判定)の場合は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が必要です。
ポリープやがんの有無を直接確認し、その場で組織検査や切除ができることもあります。
4. 受診すべき診療科
消化器内科、内視鏡内科が専門となります。
5. 提携先医療機関
医療機関名 | 所在地 | Webサイト |
---|---|---|
かわぐち消化器内科 | 浅草 | https://asakusa-naika.com/ |
ぎょうとく内科 | 浅草橋 | https://www.gyotoku-clinic.jp/ |
*紹介状は必要ありません。検査結果をご持参の上、上記のホームページをご参照の上ご予約ご受診ください
② 胸部レントゲン検査(肺がんスクリーニング)
1. どんな検査?
胸部レントゲンは、肺や気管支、心臓、大動脈など胸の内部をX線で撮影する検査です。
肺にできる腫瘍や感染、慢性の変化などを早期に発見することを目的としています。
2. 肺がんってどんな病気?
肺がんは、日本人のがん死亡原因の中でも常に上位に位置する重大な病気です。
初期には症状が出にくく、定期的な画像検査によるスクリーニングが早期発見のカギになります。
3. 次に必要な精密検査
胸部レントゲンで異常が見つかった場合、以下のような検査が必要です:
- 胸部CT検査(精度の高い断層画像で詳細を確認)
- 喀痰細胞診(痰にがん細胞が混じっていないかを調べる)
必要に応じて、呼吸器専門医による診察や生検(組織検査)に進むこともあります。
4. 受診すべき診療科
呼吸器内科、呼吸器外科、画像診断科が該当します。
レントゲン異常があった場合は、CT撮影可能な医療機関を優先的にご案内しています。
5. 紹介できる医療機関
医療機関名 | 所在地 | Webサイト |
---|---|---|
東京医科大学病院 | 新宿 | https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp |
*紹介状が必要です。お電話でお申し込みください
③ 胃カメラ・バリウム検査(胃がんスクリーニング)
1. どんな検査?
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡)は、口または鼻から細いカメラを挿入して、食道・胃・十二指腸の内側を直接観察します。
- バリウム検査(胃X線造影)は、造影剤(バリウム)を飲み、胃の形や粘膜の異常をX線で確認する検査です。
いずれも胃がんや胃潰瘍などの早期発見を目的としています。
2. 胃がんってどんな病気?
胃がんは、食生活やピロリ菌感染などが原因で発症することが多い病気です。
進行するまで症状が出にくいため、定期的な検査による早期発見が重要です。
早期であれば、内視鏡による切除で完治が望めることもあります。
3. 次に必要な精密検査
- 胃カメラ未実施の場合 → 内視鏡検査を優先的に行います。
- すでに胃カメラで異常を指摘された場合は、**生検(組織検査)**の結果確認や、再検査・精密内視鏡が必要です。
4. 受診すべき診療科
消化器内科、内視鏡専門科が担当となります。
ピロリ菌の有無や胃炎の進行度も含めて、専門医による診断とフォローが推奨されます。
5. 提携先医療機関
医療機関名 | 所在地 | Webサイト |
---|---|---|
ぎょうとく内科 | 浅草橋 | https://www.gyotoku-clinic.jp/ |
*紹介状は必要ありません。検査結果をご持参の上、上記のホームページをご参照の上ご予約ご受診ください
④ 乳腺エコー・マンモグラフィ(乳がんスクリーニング)
1. どんな検査?
- 乳腺エコー(乳腺超音波)は、乳房に超音波をあてて腫瘤やしこりを検出する検査です。
- マンモグラフィは、乳房を圧迫してX線撮影する画像検査で、石灰化やしこりの有無を確認できます。
年齢や乳腺の発達状況によって、エコーとマンモを使い分け、乳がんの早期発見を目的とします。
2. 乳がんってどんな病気?
乳がんは日本女性のがん罹患数1位の疾患です。
30代後半から増加し、40〜60代がピーク。早期に発見されれば高い確率で治癒可能です。
乳がんには自覚症状がない場合も多く、定期的なスクリーニングが大切です。
3. 次に必要な精密検査
- 乳腺専門外来での視触診+再エコーまたはマンモ
- 必要に応じてMRIや組織検査(針生検など)を実施
一つでも異常が指摘された場合は、専門施設での早期受診が推奨されます。
4. 受診すべき診療科
乳腺外科、乳腺専門クリニックなどが対象です。
乳腺専門医による診察・精査が受けられる施設への受診が望ましいです。
5. 紹介できる医療機関
医療機関名 | 所在地 | Webサイト |
---|---|---|
日本歯科大学附属病院 | 千代田区 | https://www.tky.ndu.ac.jp/hospital/ |
*紹介状が必要です。お電話でお申し込みください
⑤ 子宮頸部細胞診(子宮頸がんスクリーニング)
1. どんな検査?
子宮頸部細胞診は、子宮の入り口(頸部)から細胞を採取し、がん細胞やその前段階の異形成の有無を調べる検査です。
HPV(ヒトパピローマウイルス)検査と併用されることもあります。
20代後半〜40代の女性に多い子宮頸がんの早期発見が目的です。
2. 子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染が主な原因のがんで、進行すると出血・痛みなどを引き起こします。
しかし、初期段階は無症状であることが多く、検診による発見・治療で予防が可能です。
20〜30代での罹患も少なくなく、若年層の検診が非常に重要です。
3. 次に必要な精密検査
- コルポスコピー(拡大子宮頸部診)+組織診(生検) → 子宮頸部を拡大鏡で観察し、異常な部位から組織を採取します。
細胞診でASC-US、LSIL、HSILなど、またはハイリスクHPV検査の陽性が連続した場合、精密検査の適応になります。
4. 受診すべき診療科
婦人科(婦人科腫瘍専門外来、レディースクリニックなどでコルポスコピー検査が可能な施設)
当院での精密検査をお勧めしております。婦人科検診・婦人科腫瘍の経験が豊富な施設でありコルポスコピー、女性医師が対応可能なクリニックとしてぜひご利用ください。
他院への紹介状をご希望の方はお電話でご相談ください
5.婦人科外来への予約はこちら
5. 検査項目の詳細について
健診結果に記載されている各検査項目が、どのような目的で行われているか、どのような疾患と関連するかなどの情報を、一覧形式でご確認いただけます。
ご自身の結果票と照らし合わせて、ご活用ください。
検査カテゴリ | 検査項目 | 項目の一言説明 | 検査でわかること・考えられる病気 | 見逃されやすいけど重要な疾患や病態 |
---|---|---|---|---|
身体測定 | 体重 | 体格や脂肪分布の評価に使用します。 | 肥満、メタボリックシンドローム、やせ、栄養状態。 | 内臓脂肪型肥満は糖尿病や心疾患のリスクを高めます。痩せすぎは免疫力が弱まります |
身体測定 | 肥満度(BMI) | 体重と身長の比から肥満度を評価する指標です。 | 肥満度の評価により、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを把握します。 | 内臓脂肪蓄積型肥満は正常体型でも見逃されることがあり、心血管疾患リスクとなります。 |
身体測定 | 腰囲(腹囲) | 内臓脂肪の蓄積を評価するための指標です。 | メタボリックシンドロームの診断基準として重要です。 | 腹部肥満は体重に現れにくいため過小評価されやすいが、動脈硬化の主要因になります。 |
聴力 | 1000Hz、4000Hzの聴力測定 | 高音と低音の聴力の感度を測定します。 | 加齢性難聴、騒音性難聴、耳硬化症などの聴力障害の早期発見に有用です。 | 軽度の高音難聴は自覚されにくく、早期発見が難しいことがあります。 |
眼科系検査 | 視力 | 目の機能や内部構造の異常を調べます。 | 緑内障、網膜症、高血圧性変化など。 | 緑内障は進行するまで気づかれにくく、視野障害の原因になります。 |
眼科系検査 | 眼圧 | 目の機能や内部構造の異常を調べます。 | 緑内障、網膜症、高血圧性変化など。 | 緑内障は進行するまで気づかれにくく、視野障害の原因になります。 |
眼科系検査 | 眼底 | 目の機能や内部構造の異常を調べます。 | 緑内障、網膜症、高血圧性変化など。 | 緑内障は進行するまで気づかれにくく、視野障害の原因になります。 |
血圧 | 収縮期血圧/拡張期血圧(正常/高値/I-II度高血圧など) | 血圧の上限値(収縮期)と下限値(拡張期)を測定します。 | 高血圧、低血圧、白衣高血圧、仮面高血圧の評価に役立ちます。 | 仮面高血圧や早朝高血圧は通常の健診では見逃されがちで、脳卒中や心筋梗塞のリスクがあります。 |
胸部X線 | 肺・縦隔の異常陰影の有無確認 | 胸部X線で肺や縦隔に異常な影があるか確認します。 | 肺がん、肺結核、肺気腫、心拡大、縦隔腫瘍などのスクリーニングに使用されます。 | 初期の肺がんや慢性閉塞性肺疾患(COPD)は自覚症状が乏しく見逃されやすいです。 |
肺機能 | 努力性肺活量(%VC) | 肺の最大換気量を測定し、肺機能の状態を把握します。 | 拘束性肺疾患(間質性肺炎など)や呼吸機能の低下がわかります。 | 進行性の肺線維症などは初期では症状がなく、健診での異常が早期発見の手がかりになります。 |
肺機能 | 1秒量 | 1秒間で吐き出せる空気の量を測定します。 | 閉塞性換気障害(COPDや喘息)の評価に用います。 | 軽度のCOPDでは症状がなく、検査での変化が早期診断に繋がります。 |
肺機能 | 1秒率 | 肺機能検査で閉塞性障害の程度を示す指標です。 | 喘息、COPDなど呼吸器疾患の診断に使われます。 | 喫煙歴のある人で1秒率が低下している場合は早期COPDの可能性があります。 |
心電図 | 心電図検査 | 心臓の電気的な活動を波形で記録する検査です。 | 不整脈、心筋虚血、心肥大の可能性がわかります。 | 一過性の異常や軽度の虚血変化は自覚症状がなくても重大な病気の前兆です。 |
心不全マーカー | NT-proBNP | 心臓に負荷がかかると分泌されるホルモンを測定します。 | 心不全の有無や重症度の指標となります。 | 無症候性心不全や高齢者の心機能低下を早期に発見する手がかりになります。 |
胃部検査 | 上部内視鏡検査 | 口または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸を直接観察します。 | 胃炎、胃潰瘍、胃がん、逆流性食道炎などの診断が可能です。 | ピロリ菌感染による萎縮性胃炎や初期の胃がんは症状が出にくいため健診での発見が重要です。 |
胃部検査 | 胃部X線 | バリウムを使って胃の形態や粘膜異常をX線で確認する検査です。 | ポリープ、胃がん、胃潰瘍の有無などを間接的に確認できます。 | 表層型の早期胃がんはX線のみでは見逃されることがあり、異常時は内視鏡検査が推奨されます。 |
便潜血 | 便潜血検査 | 便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。 | 大腸がんや大腸ポリープ、痔出血などのスクリーニングに使用されます。 | 潜血が陽性でも自覚症状がないことが多く、精密検査による確認が必要です。 |
胃機能 | ペプシノーゲン | 胃粘膜の萎縮度を血液で調べる検査です。 | 萎縮性胃炎の程度や胃がんリスクの評価に使用されます。 | ピロリ菌感染歴が長期化すると胃がんリスクが高くなります。 |
胃機能 | ピロリ抗体 | 胃に住みつくピロリ菌への感染の有無を確認します。 | 慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんのリスク判定ができます。 | 感染していても無症状のことがあり、除菌治療が予防に重要です。 |
胃機能 | ABC検診 | ピロリ菌感染と胃粘膜萎縮の程度から胃がんリスクを分類する検査です。 | 胃がんのハイリスク群の早期同定が可能です。 | 無症状のピロリ感染者や進行した萎縮性胃炎を見逃さず対策できます。 |
腹部超音波 | 腹部超音波検査 | 超音波で肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの形状や異常を調べます。 | 脂肪肝、胆石、腎結石、腫瘍などの評価が可能です。 | 無症候の胆石や膵腫瘍など、発見が遅れやすい病変の早期発見に役立ちます。 |
甲状腺超音波 | 甲状腺超音波検査 | 甲状腺の腫瘍や腫大を超音波で調べます。 | 甲状腺腫、嚢胞、甲状腺がんのスクリーニングに使用されます。 | 初期の甲状腺がんや無痛性腫瘍は健診での偶発的発見が重要です。 |
頸動脈超音波 | 頸動脈超音波検査 | 頸動脈の血流や動脈硬化の進行度を評価します。 | 頸動脈狭窄、プラーク形成、動脈硬化の進行を把握します。 | 無症候性の狭窄や脳梗塞の前兆となるプラークの早期発見に有効です。 |
尿検査 | 比重 | 尿の濃さを示し、体内の水分バランスや腎機能を反映します。 | 脱水、尿崩症、慢性腎臓病、糖尿病などの評価に使用されます。 | 低比重尿は早期の腎機能障害や水分代謝異常の兆候かもしれません。 |
尿検査 | 蛋白 | 尿中へのたんぱく質の漏れを確認する検査です。 | 腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症など。 | 持続性の尿蛋白は慢性腎疾患の初期サインであり、無症状でも精密検査が必要です。 |
尿検査 | 潜血 | 尿中の目に見えない微量な血液の有無を調べます。 | 尿路感染症、尿路結石、膀胱がん、腎炎などの可能性があります。 | 無症状でも膀胱がんや腎がんが潜んでいる可能性があり要注意です。 |
尿検査 | ウロビリノーゲン | 肝臓の機能や胆道系の異常を反映する物質です。 | 肝炎、肝硬変、溶血性貧血、胆道閉塞など。 | 軽度の肝機能障害や溶血状態が潜んでいることがあります。 |
尿検査 | ビリルビン | 尿中のビリルビン排泄を確認することで肝・胆道系の異常を示唆します。 | 肝炎、胆道閉塞、肝硬変などで陽性となります。 | 初期の胆道閉塞や肝疾患ではビリルビンが尿に出ることがあります。 |
尿検査 | ケトン体 | 糖尿病や飢餓状態で体内の脂肪が分解されて生じる代謝産物。 | 糖尿病、飢餓、アルコール中毒などで高値になる。 | 軽度の糖尿病性ケトアシドーシスや、ダイエット中の異常代謝。 |
尿検査 | 尿沈渣 | 尿中に含まれる成分や細胞の状態を顕微鏡で観察する検査。 | 尿路感染症、腎炎、結石、出血などが疑われる。 | 無症状の初期の尿路感染や微細出血のサイン。 |
腎機能 | 尿素窒素 | 腎臓の老廃物排泄機能を示す指標の一つです。 | 腎不全、脱水、消化管出血などの診断補助となります。 | クレアチニンが正常でも軽度の脱水や腎障害が反映されることがあります。 |
腎機能 | クレアチニン | 筋肉由来の老廃物を測定し、腎機能を評価します。 | 慢性腎臓病、腎不全などの進行度評価。 | 早期腎障害ではクレアチニンが正常でもeGFRが低下していることがあります。 |
腎機能 | eGFR | 腎臓がどれだけ血液をろ過できるかを示す推定値です。 | 腎機能の異常や慢性腎臓病のステージ分類に用いられます。 | 加齢による機能低下や高血圧性腎障害の早期発見に重要です。 |
電解質 | ナトリウム | 体内の水分バランスや血圧の調整に重要な電解質。 | 脱水、副腎機能低下症、腎疾患など。 | 軽度の脱水や副腎不全の早期指標。 |
電解質 | カリウム | 筋肉の働きや心臓の電気的活動に関与する重要な電解質。 | 腎不全、アルドステロン異常、脱水など。 | 慢性カリウム不足による心電図異常や筋力低下。 |
電解質 | クロール | 体液の電気的中性を保つ役割を持つ電解質。 | 代謝性アルカローシス、嘔吐、腎疾患などで異常値を示す。 | 体液バランス異常による慢性的な疲労や頭痛。 |
電解質 | カルシウム | 骨代謝や神経・筋肉機能に関わる重要なミネラルです。 | 副甲状腺機能異常、骨粗鬆症、がんの骨転移などの診断補助。 | 高カルシウム血症は悪性腫瘍のサインのことがあり注意が必要です。 |
脂質 | HDLコレステロール | 脂質代謝のバランスを評価します。 | 脂質異常症、動脈硬化のリスク評価。 | 動脈硬化は無症状で進行し、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となります。 |
脂質 | LDLコレステロール | 脂質代謝のバランスを評価します。 | 脂質異常症、動脈硬化のリスク評価。 | 動脈硬化は無症状で進行し、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となります。 |
脂質 | non-HDLコレステロール | 脂質代謝のバランスを評価します。 | 脂質異常症、動脈硬化のリスク評価。 | 動脈硬化は無症状で進行し、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となります。 |
脂質 | 中性脂肪 | 脂質代謝のバランスを評価します。 | 脂質異常症、動脈硬化のリスク評価。 | 動脈硬化は無症状で進行し、心筋梗塞や脳梗塞の引き金となります。 |
血液学検査 | 赤血球数 | 全身に酸素を運ぶ赤血球の数を測定します。 | 貧血、多血症、脱水、出血などの有無を把握します。 | 軽度の出血や慢性的な栄養不足による貧血の兆候を見逃さないために重要です。 |
血液学検査 | 白血球数 | 免疫や炎症反応に関与する白血球の数を測定します。 | 感染症、白血病、ストレス、免疫疾患などの評価に使われます。 | 慢性白血病や骨髄異形成症候群などの初期には軽度の変化しか出ないことがあります。 |
血液学検査 | ヘモグロビン | 赤血球に含まれ酸素を運ぶたんぱく質の量を示します。 | 貧血の程度、酸素運搬能力、出血の有無などが評価できます。 | 月経過多や消化管出血などによる慢性的な貧血に注意が必要です。 |
血液学検査 | ヘマトクリット | 血液中の赤血球の割合を示します。 | 脱水、貧血、多血症の診断や体液バランスの把握に有用です。 | 体液過剰や出血性ショックの評価にも使われます。 |
血液学検査 | MCV/MCH/MCHC | 赤血球の大きさや色の濃さを評価する指標です。 | 鉄欠乏性、巨赤芽球性、溶血性など貧血のタイプ分類に使われます。 | 早期の鉄欠乏性貧血ではMCVの低下が最初に現れることがあります。 |
血液学検査 | 血小板数 | 血液中の血小板数を測定します。 | 出血傾向、血小板減少症、骨髄疾患など。 | 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、白血病、骨髄異形成症候群など。 |
血液学検査 | 白血球分類 | 白血球の種類(好中球、リンパ球など)を分類して調べる検査です。 | 炎症や感染症、アレルギー、白血病など白血球異常の評価に役立ちます。 | 白血病、感染症、アレルギー性疾患、リンパ系疾患など。 |
血液学検査 | 血液像 | 白血球の種類や割合を調べます。 | 感染症、白血病、アレルギー反応など。 | 急性白血病、慢性白血病、好酸球増多症、リンパ球性疾患など。 |
糖代謝 | 血糖 | 血糖コントロールや糖尿病の有無を確認します。 | 糖尿病、耐糖能異常。 | 初期の糖尿病は自覚症状に乏しいため健診での発見が重要です。 |
糖代謝 | HbA1c | 血糖コントロールや糖尿病の有無を確認します。 | 糖尿病、耐糖能異常。 | 初期の糖尿病は自覚症状に乏しいため健診での発見が重要です。 |
尿酸 | 尿酸 | 血中の尿酸の量を調べます。 | 高尿酸血症、痛風。 | 尿酸値が高いと腎障害や動脈硬化のリスクも高まります。 |
肝機能 | AST | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | ALT | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | γ-GTP | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | ALP | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | LDH | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | 総ビリルビン | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝機能 | 総蛋白・アルブミン | 肝臓の働きや胆道系の異常を調べます。 | 脂肪肝、肝炎、胆道閉塞、肝硬変。 | 自覚症状がないまま肝機能が低下している場合があります。 |
肝炎マーカー | HBs抗原 | ウイルス性肝炎の感染状況を確認します。 | B型肝炎、C型肝炎。 | 慢性化すると肝硬変や肝がんの原因になります。 |
肝炎マーカー | HCV抗体 | ウイルス性肝炎の感染状況を確認します。 | B型肝炎、C型肝炎。 | 慢性化すると肝硬変や肝がんの原因になります。 |
酵素 | アミラーゼ | 膵臓や唾液腺から分泌される酵素で、炎症や疾患の指標となります。 | 急性膵炎、慢性膵炎、唾液腺炎、腸閉塞など。 | 軽度の膵炎や無症候性の膵疾患でも上昇する場合があり、見逃し注意。 |
炎症 | CRP | 炎症や感染があるときに血中で増加するタンパク質です。 | 細菌感染、リウマチ、膠原病、腫瘍、術後反応。 | 低度の炎症でも軽度上昇するため、慢性疾患の評価に重要です。 |
リウマチ因子 | RF | リウマチ因子と呼ばれ、関節リウマチなどで陽性になります。 | 関節リウマチ、シェーグレン症候群、慢性感染症など。 | 高齢者や他疾患でも陽性となるため、精査が必要です。 |
リウマチ因子 | 抗CCP抗体 | 関節リウマチに特異的な抗体の一つです。 | 関節リウマチの早期診断や予後の指標となります。 | RF陰性でも抗CCP陽性であれば関節リウマチの可能性が高いです。 |
腫瘍マーカー | CEA | 消化器系がんなどで上昇する腫瘍マーカーです。 | 大腸がん、胃がん、膵がん、肺がんなど。 | 喫煙や良性疾患でも上昇することがあり、経過観察が重要です。 |
腫瘍マーカー | CA19-9 | 膵臓や胆道系のがんで上昇するマーカーです。 | 膵がん、胆道がん、胃がん、大腸がんなど。 | 閉塞性黄疸などの良性疾患でも上昇するため注意が必要です。 |
腫瘍マーカー | CA125 | 婦人科系のがんや疾患で上昇するマーカーです。 | 卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫など。 | 月経周期や妊娠でも変動するため、単独での判断は避ける必要があります。 |
腫瘍マーカー | CA15-3 | 乳がんのマーカーとして用いられる腫瘍マーカーです。 | 乳がん、肺がん、肝がんなど。 | 乳がんの術後再発や転移のモニタリングにも利用されます。 |
腫瘍マーカー | SCC | 扁平上皮がんで上昇する腫瘍マーカーです。 | 子宮頸がん、食道がん、肺がん(扁平上皮がん)。 | 良性皮膚疾患でも上昇することがあり、画像診断との併用が重要です。 |
甲状腺機能 | TSH | 甲状腺ホルモンの分泌を調整するホルモンの値です。 | 甲状腺機能低下症、亢進症の評価に用いられます。 | 症状の乏しい潜在性甲状腺機能異常を早期発見できます。 |
甲状腺機能 | Free T3 | 甲状腺ホルモンの一つで代謝を活性化させます。 | 甲状腺機能亢進症や低下症の診断に用いられます。 | Free T3が先に変化するため、初期の甲状腺異常に有効です。 |
甲状腺機能 | Free T4 | 代謝やエネルギー産生に関与する甲状腺ホルモンです。 | 橋本病、バセドウ病など甲状腺疾患の診断に使われます。 | Free T4のみ正常で他の異常がある場合、精密な診断が必要です。 |
乳腺検査 | 視診 | 乳房に皮膚の変化やしこりがあるかを視覚的に確認します。 | 乳がんや乳腺炎、皮膚の病変などの早期発見に有用です。 | 乳がん、乳腺炎、パジェット病などの視診で確認できる乳房疾患。 |
乳腺検査 | 触診 | 乳房にしこりがあるかどうか、触って確認する検査です。 | 乳がんや良性腫瘍のしこりを触知により評価できます。 | 乳がんや線維腺腫、乳腺嚢胞など触診可能なしこり。 |
乳腺検査 | 乳房超音波 | 超音波で乳腺内の構造を確認し、しこりの有無や性状を評価します。 | 乳がん、乳腺嚢胞、線維腺腫などの鑑別に有効です。 | 乳がん、良性腫瘍、石灰化、嚢胞性病変など。 |
乳腺検査 | マンモグラフィ | 乳房をX線で撮影し、石灰化や腫瘤の有無を調べます。 | 乳がん、良性腫瘍、石灰化病変。 | 早期乳がんは石灰化のみで発見されることがあり、視触診では分からない場合も。 |
子宮検査 | 頸部細胞診 | 子宮頸部から細胞を採取してがんや異形成を調べます。 | 子宮頸がんやその前段階の異形成を発見します。 | 無症状の前がん病変(CIN)は健診でしか見つからないことが多いです。 |
子宮検査 | ハイリスクHPV | 子宮頸がんの原因となるHPVウイルス感染の有無を調べます。 | HPVの持続感染リスクや異形成の進展予測。 | 細胞診が正常でもHPV陽性の場合は要経過観察です。 |
子宮検査 | 経腟超音波 | 腟内に超音波プローブを挿入し、子宮や卵巣の状態を確認します。 | 子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症などの婦人科疾患の診断に有用です。 | 子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症、無排卵周期症など。 |
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